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徳光院の多宝塔 * この寺は、布引丸山の北側、布引の雄滝道に近くにあり、緑に囲まれた閑静な所である。 本尊は、鎌倉時代の作と伝えられる十一面観世音菩薩である。 臨済宗天龍寺派。 この地は、もと滝勝寺の跡地である。 滝勝寺は布引の滝で修法した役小角(えんのおづぬ)が創建と伝え、一時、七堂伽藍70有余の僧坊、末寺を有し、修験場にもなっていたという。 ここに、明治38年(1905)、鹿児島の一商人から、日本造船界に大きな功績を残した川崎正蔵(1837〜1912年)が、徳光院を建立して菩提寺としたものである。 境内には、楠の木が多い。 これは、川崎正蔵が明治20年(1887)代より苗から育てたものである。 新緑や秋の紅葉が楽しめる境内は、本堂のほか、兵庫県で最古、神戸市内で唯一の多宝塔、不動堂、地蔵堂、鐘楼、開山堂などがある。 本堂前庭の植え込みの中には、風雪に耐えた羅漢石仏が十余体も置かれている。 当山の全境域は、神戸市により「文化環境保存区域」に指定され、更に「徳光院市民公園」に定められた。